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ラストイニング(Last Inning) 35巻 raw・ネタバレ

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甲子園という名の魔物が棲む舞台で、彩珠学院の執念が頂点に達する。鳩ヶ谷圭輔が仕掛けた奇策の数々は、すべてこの瞬間のためにあった。強豪・明慶高校を相手に、個の力ではなく組織としての最適解を提示する聖秀の野球。選手たちの泥臭い奮闘と、監督・鳩ヶ谷の冷徹ながらも熱い計算が交差し、ついに打線が火を噴く。泥だらけのユニフォームが物語る、一球に人生を懸けた男たちの、血が沸き立つような激闘の記録がここに完成した。

⚠️ ネタバレを含みます。

明慶戦の終盤、点差は絶望的とも言える状況だが、鳩ヶ谷の眼光は一切の迷いを見せない。彼はあえて打者にセオリーを捨てさせ、相手投手の微妙な癖を突く心理戦を強行する。これまで蓄積してきたスカウティングデータが、この一点をもぎ取るためのトリガーとして機能する。打席に立つのは、これまで陽の目を見ることのなかった控えの選手。鳩ヶ谷が彼に託したのは、無欲の極致である「何も考えない一振り」。その一撃が放たれた瞬間、球場は静寂に包まれる。外角低めのスライダーを完全に読み切った打球は、ライトスタンドの最前列へ飛び込んだ。一方、守備面ではエースが限界を迎えながらも、鳩ヶ谷のサイン通りに打者の心理を逆撫でする配球を徹底。相手監督の焦りを誘い出し、凡打の山を築いていく。ベンチの誰もが勝利を確信したとき、空は夏の夕暮れに染まり、グラウンドの砂が舞う。個々の能力差という常識を、徹底した管理野球と人間臭い執念で粉砕する。これは単なる試合の記録ではなく、組織が最強の敵を食らうまでの、冷酷で熱い革命の全貌である。
著者中原裕
出版社小学館
レーベル小学館コミックス
35巻35巻

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